この建物は内科・呼吸器科を診療科目とし睡眠時無呼吸症の検査施設を持つクリニックである。クリニックのイメージをシンプルで清潔感のあるものとするため外壁は白を基調とし、仕上げには目地を隠す左官工法を採用した。
軒を低く抑えたポーチから内部に入ると待合室の吹抜けが広がり、奥の地窓から坪庭が見える。吹抜けと坪庭により上下と奥行き両方向に広がりを感じられる待合空間となった。階段の形状にもこだわり、少しでも圧迫感を軽減するため鉄板を折り曲げた軽い印象のものとした。白い空間の中で待合ベンチ、受付カウンター、ドアに木を使用することで全体のイメージを和らげている。 2階の検査室は「検査」という緊張感を少しでも軽くすることを考え、壁一面と床をダークブラウンとした。その色彩効果で落ち着きのある空間となった。 シンプルの中に利用者の心理を考慮したこだわりのあるクリニックとなった。
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