敷地は名古屋圏の自然豊かな住宅地で、方角によっては辺りの山々の緑が望めるような環境でした。また、敷地は南側と北側共に道路に面し、さらに西の隣地はしばらく建物が建たないと思われる開放性の高い状況でした。

　この敷地状況に対して、建物を周囲360°どの角度からでも建物の顔となるように表裏のない建物を目指して検討を進め、必要な大きさの直方体をずらしながら並べた建物配置を採用しました。内部だけでなく残された外部空間の大きさや形状を丁寧に検討し、内部と外部を同時に設計しました。

　内部空間は建物の構成をそのまま素直に再現し、様々な場所で外部との関わりを積極的に持たせることができました。特に2階の開口部は辺りの風景を切り取るように位置を決めています。また空間を重層させることにより、内部を歩き回った際の刻々と変化するシーンを楽しめるようになっています。

　別荘地かのような環境を持つこの地に相応しい、遊び心のあるセカンドハウスのような住宅となりました。