間口7ｍx奥行26ｍの細長い敷地に建つ専用住宅です。

両側に隣家が建っているため奥の部屋まで採光と通風をどのように確保するかが設計の最大のポイントでした。その問題を解決するために部屋を1つのＢＯＸとして扱い、そのＢＯＸをずらすことで生まれる隙間を光庭としました。その光庭が各部屋の間や隣家との間にスペースをつくることで光と風が通り抜ける上下のトンネルとなり、自然環境をたっぷり採り入れる役割をしています。またアルミのルーバーで囲った光庭は内部と外部の中間的な空間として内部に広がりを持たせています。

1階はＢＯＸが繋がった部分に1本の廊下を通し、個室や水廻りをリズムよく配置しました。２階のリビングダイニングキッチンはＢＯＸを区切ることなく1室空間とすることにより、広がりを持たせ、一方でＢＯＸのずれによりそれぞれの場に適度な落ち着きを与えています。またロフト階との吹抜は上下方向への広がりも実現しています。

住宅の機能性と居住性を十分に検討した結果が空間に変化を与え、個性的でありながら楽しく暮らしやすい住まいとなりました。外観から想像する以上に内部の空間体験は変化に富んでいます。一歩一歩、奥へ進むたびにシーンは展開し、光庭やＢＯＸを介して色々なものとの出会いが待っています。